Vol.15 [大島花子さん] すっと心に染みとおる優しくて透明感のある歌声で「いのちの大切さ」を伝える
post date：2015.02.13
大学卒業後、ミュージカル「大草原の小さな家」で初舞台。ライブハウスなどで活動の後、2003年にメジャーデビューし、2010年からはショーロクラブの笹子重治（ギター）とのデュオを中心にしたライブ活動を定期的に開催。親子ライブ、国際協力NGOジョイセフの妊産婦支援をはじめ、被災地支援活動、老人ホームや障がい者施設、ホスピタルコンサートなどで歌を通じたふれあいを積極的に行っている。2014年12月ファーストアルバム「柿の木坂」発売。
廣瀬編集長（以下、廣瀬）
これ、レコードですよね！！
昨年発売されたファーストアルバムは、レコード盤として出されたとか。
子どもの頃には馴染みがあったのに、いつの間にか目にしなくなってしまい…手に取っただけで、なんだかゾクッとしました。
今の時代にレコードを作るというのは、やはり手間も時間もかかることなのですよね。
大島さん
黒いプラスチックの塊をぷしゅーっと1枚1枚プレスして作ったディスクに、アナログテープで録音した作品が刻まれていくんですよ。
普段から生音を通して直接心に届けたいと思っている「気持ち」や「ぬくもり」は、デジタルよりもアナログの方が伝わると思ったのでレコードにしました。
よりライブ感が伝わる仕上がりになったと思います。
CD版もテープで録ったものから落としているので、同じようにあたたかみのある音になっています。
廣瀬
以前ライブにお伺いした時、とても繊細で内面から湧き出てくる優しさで聴いている人を包んでくれるような花子さんの歌声に感動しました。
私に、力を抜いてそのままでいいんだよと言ってくださっている気がして…気が付いた時には、涙があふれていました。
今回のアルバムにも収録されている「カトルカール」のような、なんでもない日常がいかに素敵かという歌も大好きなのですが、悲しみと向き合う歌や反戦歌など重たいテーマを題材にした歌もすっと心に響くのは、花子さんの歌声だからという気がします。
やはりご自身が日頃、「いのち」について考えていらっしゃるからでしょうか。
大島さん
そうですね。私は11歳の時に突然父を亡くしたのですが、当時は心のケアなんてなかったですし、未だ現実に向き合いきれてないところもあるのかなぁと思っています。
けれども、悲しみも自分の一部ですし、そこも含めて「自分を愛したい、大切にしたい」というのが今のところの結論なのです。
日常がいかに大切で愛おしいかということや、人の命を粗末にしてはいけない、という想いはもちろん、作詞や選曲につながっていますね。
ここに至るまでは長かったですが、つらい経験があったからこそ自分がやりたいことに辿り着けたので、今はとても幸せです。
廣瀬
自分をまるごと愛することは、簡単なようで本当に難しいですよね。
フィールドは違いますが、私もこの年になって、ようやくありのままに自分を表現できるようになってきたような気がします。
花子さんは、癒しと勇気を与えるような社会活動にも積極的に取り組まれていますよね。
大島さん
歌というのは、私ひとりで作るものではなく、聴いてくれる人の想いとあいまって作品になるのだと思っているので、聴いてくれる人がいれば、どんな場所での活動も変わりがないのです。
音楽を介して様々な方と出会ったり、一緒に音を作り、紡ぐのが私のよろこびですし、それを喜んでもらえるのも嬉しくて（笑。
私の方が元気をもらって、癒されています。
廣瀬
花子さんの穏やかな歌声が心に強く響く理由が、少しわかった気がします。
これからも素敵な歌を届けてくださいね。
花子さん、今日はありがとうございました。
最後にＮstyleの読者へひと言お願いします！
撮影／土居 麻紀子 取材・文／尾崎 祐子
Nstyle主宰。航空会社の客室乗務員から、アルマーニ・ジャパンに入社、アパレルの世界へ。その後、タレントのスタイリストとして活動。現在は“女子力”を提案するスタイルプロデューサーとしてイベントや商品のプロデュース、ファッションブランドコンサルティングをはじめ、ファッション、ビューティー、ライフスタイル情報を雑誌・ラジオ等で発信している。
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