Vol.11 『シャネル、革命の秘密』に学ぶ、人間的魅力のある生き方
post date:2014.06.04
明治大学国際日本学部特任教授。服飾史家・エッセイスト。
ファッション=人と社会を形作るもの、と位置づけ、ファッションの歴史から最新の流行現象まで幅広く研究、執筆。
2014年4月発売「シャネル、革命の秘密」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を監訳。
廣瀬編集長(廣瀬)
シャネルのように亡くなった後も自分の「スタイル」が受け継がれていく女性には、色々な苦悩があったんだなぁと、そんなことを想いながら『シャネル、革命の秘密』を読ませていただきました。
中野さん
ありがとうございます。
シャネルには女性の元型のようなところがあるので、そこが多くの女性に共感いただけるのだと思います。
廣瀬さんの心に止まったのは、どんなところですか。
廣瀬
単なる洋服作りではなく、パンツスタイルやジャージィドレスなど、それまでになかった新しいスタイルを提案したというところです。
「Nstyle」で同じくスタイルを発信している私自身と重ね合わせてみたときに、新しいものを取り入れた、ライフスタイルにあうアイデアはさすがだなと。
フェミニンな女性らしい一面と、孤独と闘っていたであろう強い一面を持つシャネルの、どこか複雑な内面も気になりました。
中野さん
そうなんですよね。いつも相矛盾しているような作者の書き方は、私もいいなと思ったところのひとつです。
シャネルが色々な葛藤と闘っている人間らしい様子など、上手に描かれていますよね。
廣瀬
別れた愛人たちからも、いざという時に支えてもらえるのはさすがですよね!
シャネルは、人として尊敬されていたのでしょうね。
中野さん
彼女は、いつも人と本音で付き合うことで、深い人間関係を築いていました。
近年は、トラブルを嫌煙して表現に気をつかったり、当たり障りのないやさしい振る舞いをしたり・・・人と本音で関わりにくい時代だなぁと思うのです。
もし今の時代にシャネルがいたら、ネットワークの築き方を教わりたいですね。
廣瀬
私も知りたいです!
シャネルは本当に素晴らしい「人間力」を持っていたのでしょうね。
彼女が晩年に残した、「私は私の生きたいように生きた」というような言葉とも繋がりますね。
中野さん
実際、他人のことには構っていられなかったし、人の顔色をみている暇はなかったでしょう。
伝説になる人の多くには、不本意な境遇から出発するという共通のパターンがあるのです。
孤児院育ちのシャネルも、生き抜くためにがむしゃらに走り続けました。
目標に向かうためには、誰でも「やりたくないこと」からのスタートだと思います。
廣瀬
やりたくないことだからといって諦めるのではなく、まずはとにかく無我夢中に進んでみることですね。
中野さん
壁に衝突しながら乗り越える力を養い、信じて頑張っていけば、その先に思わぬ才能が開花するかもしれません。
あなたの心に、革命的が起こるかも(笑)。
廣瀬
私も自分で限界のラインをひくことなく、歩み続けます!
今日はありがとうございました。
では、最後にNstyle読者にひとことお願いします。
「シャネル、革命の秘密」
リサ・チェイニー(著)、中野香織(監訳)
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2014年4月17日発売
544ページ
定価:2,400円+税
撮影/神ノ川智早 取材・文/尾崎祐子
Nstyle主宰。航空会社の客室乗務員から、アルマーニ・ジャパンに入社、アパレルの世界へ。その後、タレントのスタイリストとして活動。現在は“女子力”を提案するスタイルプロデューサーとしてイベントや商品のプロデュース、ファッションブランドコンサルティングをはじめ、ファッション、ビューティー、ライフスタイル情報を雑誌・ラジオ等で発信している。
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