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【1日目】地元の名品と出会い、歴史と情緒が宿る街を訪ねる、 しっとり静岡女子旅

post date:2015.12.25

静岡は思っていたよりも広いのです。
東京から新幹線で一路浜松へ向かい、
今回訪ねるのは、静岡でも愛知県に近い西のエリア。
ここで出会ったのはたくさんの「はじめて」。
東京から近いのに意外と知らなかった、
静岡の奥深さを知る旅になったのでした。

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静岡の名産品のひとつが「お茶」。
到着してすぐに、まずはおいしいお茶を求めて、山の中腹までドライブ。
天竜川の支流である阿多古川の澄んだ水の美しさを眺めながら、
到着したのは天竜区にある「カネタ太田園」。
周りは何にもないところで、こんなところに? と思いますが、
こちらのお茶は、自家製完熟堆肥を使ったりするなどした、
こだわりの土作りで、様々な名誉ある賞を受賞している「天竜茶」を作っているのです。
今回は特別に山の傾斜地にある茶園に連れて行ってもらいました。

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案内をしてくださるのは、カネタ太田園の代表の太田昌孝さん。
真冬の今は、畑を養生し、収穫の春に向けて準備をしている時期です。
「ここは県内の茶園の中でも標高が高いので、山霧がたちこめる上、日中の温度差が大きく、また傾斜地だから風通しもいい。良いお茶が育つには最良の自然環境なんだよ。冬はお茶の木だって寒いでしょうから、今は布団をかけてあげるように、根元を敷き草で覆ってるんだ」と太田さん。
「茶畑の中に入ってみて、といわれて足を踏み入れたら、こんなに上等な絨毯はないんじゃないかと思うほどのフカフカな感触! 太田さんのお茶にかける愛情の深さを感じることができました」と編集長。

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春には近所の人が手伝いに来て、数日で新茶を収穫するという“手摘み”にこだわっているのも、こちらのお茶づくりの特徴のひとつ。帰り道、敷地の中にたわわに実っている次郎柿の木をみつけたら「もいで持って帰っていいよ」と太田さん。なんと静岡で柿を収穫してしまいました。

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さて、山を下ってお店に戻ったら、試飲用のお茶の用意が。今回は5gで600円(!)のお茶が七徳茶皿(ななとくささら)というお皿に1g分取り分けられていました。この皿に、湯を注ぎ、しばらく待ってから小さな湯のみに淹れていただくという趣向。
「こんなお茶の淹れ方も初めてだけど、なんといってもその味にびっくり!いままで飲んだことがない味。ほんのり甘く、馥郁たる香りが口の中に広がります」と編集長もその深い味に感銘をうけたのでした。

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お茶を堪能した後に向かったのは「方広寺」です。
このお寺は、山の広大な敷地の中に大本堂をはじめ、いくつもの見どころがあるお寺。今年は紅葉が遅かったそうで、訪れた時はまさに紅葉まっさかり。その美しい紅葉はあとでゆっくり見ることにして、こちらではまず、お昼ご飯をいただくことに。

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お寺なのに、出てきたのは鰻! と思ったら、これはもちろん精進料理。豆腐、山芋、レンコンを原材料にした「精進うな重」です。見た目も鰻ですが、味もまさに鰻そのもの。
「浜松は鰻が名物ですが、まさかお寺で精進料理の鰻をいただくとは」と編集長もびっくり。食事の前には、“いただきます”の代わりに「食事五観」という5つのきまりを読み上げてからありがたく昼食をいただきました。

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さあ、お腹もいっぱいになって次は「写仏」を体験します。
写経は知っている方も多いと思うのですが、ここでは写経以外に仏様を描く体験ができるのです。お経を唱えて、心を落ち着かせてからいざ!
薄く下書きがしてあるものをなぞるのですが、不思議なことに描く人によって全く違う表情になるのだとか。同じ人が別の機会に描いても同じになるということはないということで、心を映し出す鏡のようなものなのかもしれません。
編集長も真剣な面持ちで取り組んでいました。

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まだまだ方広寺での体験は続きます。本堂で御本尊と対面し、そのあとは半僧坊真殿へ。ここは厄難消除、家内安全そして女子的には気になる良縁成就にもご利益があるといわれているところなので、ぜひお参りしておきたいところなのです。ほかにも三重の塔など拝観できる見所がたくさんなので、ゆっくり時間をとって訪れたいお寺でもあります。

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帰りは紅葉を愛でながら、らかん坂を下ります。この方広寺の中には五百羅漢像があちこちにあり、この坂道を下って行く途中にもいくつもの羅漢像と出会うことができます。
編集長は「どれひとつとして同じものはなく、ほっこりした表情がなんともいえずに愛らしくて、見ているだけで心が和む!」
こんなに歩くとは思っていなかった方広寺。スニーカースタイルの編集長のコーディネートは大正解。この方広寺は一泊禅寺体験もできるのです。お寺に泊まってリフレッシュもよさそうです。

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本日ラストに訪ねたのは「龍潭寺」。
ここは来年以降、きっと観光客がぐっと増える注目スポットになりそう。なぜなら、2017年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」の主人公である、井伊直虎ゆかりの寺だからなのです。

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タイトルの通り、直虎は女性。もともとこの寺と井伊家は深いつながりがありましたが、直虎はこの寺で出家したのだとか。山門を通り抜けるとその先は石垣があり、お城のような風情も味わえて、一気にその時代へと誘われるよう。
本堂には鶯張りの廊下が残されていて、歩くたびに「キュッ」と音が。

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奥へすすめば、国指定名勝の庭園が目に入ってきます。江戸時代初期に本堂北庭として築かれたこの庭は、茶人であり作庭の名人であった小堀遠州作の名庭園。たくさんの石が織りなす風雅な世界を楽しみました。
庭を眺めることができる書院でお抹茶をいただいて、しばし歴女の気分を楽しんだ編集長。そろそろ日が暮れてきました。

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静岡オトナ女子旅の本日の宿は浜名湖畔にある舘山寺温泉。ラグジュアリーなホテルである「ホテル九重」にチェックイン。
浴衣に着替えてさっそく晩御飯へ。

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今日はたっぷり歩いたので、おなかがペコペコ。目の前の御膳にはいろどり豊かな前菜が。まずはビールで乾杯です。
そして、本日のメインディッシュともいえるのが、こちらの遠州灘天然とらふぐの鉄ちり鍋。
「浜松は鰻だけかと思っていたら、この天然とらふぐも名物なんて、今回静岡に来るまで知らなかったなあ」。この食卓にも静岡の海の幸、山の幸がたっぷりと使われていました。

ホテル九重_遠州絵巻の湯

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最後はもちろん温泉です。広々とした大浴場は2タイプ。昼夜で男女入れ替わり、湯船がたくさんあって両方制覇すると、なんと20種類の湯めぐりができるのです。舘山寺温泉はナトリウムカルシウム系のちょっとしょっぱい温泉。源泉掛け流し(温度調整&ろ過はしています)の湯船ももちろんあるので、あれこれ入って、極楽極楽。

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今日の最後は、温泉つながりで静岡でも名湯が集まる伊豆の話を。

「伊豆花遍路」は、手帳のようになった専用手ぬぐいを現地で手に入れて、伊豆半島の名所を巡ってスタンプをこの手ぬぐいに押していくという楽しいスタンプラリーのキャンペーン。全部押して、手ぬぐいの赤い糸をほどけば一枚に。スタンプは油性インクなので実際に使用しても大丈夫。なんとも可愛い女子心をくすぐるアイディアに、編集長も「デザインもなにもかも可愛い!」と大絶賛。次の静岡旅は伊豆もいいかも。

気がつけば、外はしとしとと雨が降ってきました。旅の2日目はお天気も心配ですが、活動的に過ごした初日は早めに休んで、明日に備えることに。編集長も、いつのまにかぐっすり眠っていたようですよ。

 

カネタ太田園
静岡県浜松市天竜区西藤平36-1
053-928-0007
http://www.otaen.jp

方広寺
静岡県浜松市北区引佐町奥山1577-1
053-543-0003
http://www.houkouji.or.jp

龍潭寺
静岡県浜松市引佐町井伊谷1989
053-542-0480
http://www.ryotanji.com

ホテル九重
静岡県浜松市西区舘山寺町2178
053-487-1112
http://hamanako-kokonoe.jp

伊豆花遍路
http://izuhana.jp

(撮影/山本会里 取材・文/高橋麻紀子)

Noriko Hirose

編集長【写真】

Nstyle主宰。航空会社の客室乗務員から、アルマーニ・ジャパンに入社、アパレルの世界へ。その後、タレントのスタイリストとして活動。現在は“女子力”を提案するスタイルプロデューサーとしてイベントや商品のプロデュース、ファッションブランドコンサルティングをはじめ、ファッション、ビューティー、ライフスタイル情報を雑誌・ラジオ等で発信している。
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