ガメイ・ノアール・エル・ドラド 2017 / アルノー・ロバーツ
【Gamay Noir El Dorado 2017 / Arnot Roberts】

 
 
秋の夕暮れには、どうしてこうも心を揺り動かされるのでしょう。
今日はゆっくりと夕日に染まっていく秋空のように、じんわりと染み入るような優しいワインをご紹介します。
 
 
今、カリフォルニアワインは新たな動きを見せています。
以前は過熟して果実味が全面に押し出された重厚なカベルネやシャルドネばかりが評価されていましたが、現在は、アルコール度数が低めに抑えられ、酸と果実味のバランスが取れたエレガントなスタイルのワインも評価されるようになってきているのです。
 
 
アルノー・ロバーツの共同オーナーの一人ネイサン・ロバーツは、
「カリフォルニアの食は、素材の味を生かした軽やかなスタイルに変化してきています。レストラン関係者の間では、その食事に合わせやすいワインを求めることが多くなってきた。」と、自分たちのワインが求められる理由を冷静に分析しています。
 
 
まさに彼らのワインは、多様性の時代に入ったカリフォルニアワインの今を象徴するものです。
これまで地理的条件から誰も注目していなかったような畑から、繊細で美しいワインを生み出し、カリフォルニアでは珍しい品種の生産にも意欲的に取り組んでいます。そして、そのどのワインにおいても目を見張るようなエレガントなスタイルを見せてくれるのです。
 
 
「新しいものも、いつかは新しくなくなる。私たちはこれからもずっといいものを造っていけるよう努力しなければなりません。その為にはやはり畑が大切なのです。」
ぶれることのないその精神は、しっかりとワインに表現されています。
 
 
秋の夜は長いから、染み入るような優しいワインをゆっくりと、そしてゆったりと。
今日も素敵な乾杯を。
 

 
 

大石 寿也 渋谷桜丘のレストランCUJORL / ワインブティックBouteilleのディレクター。 毎日レストランのフロアに立ちつつ、ワインを通したコミニケーションや人の繋がりを求め、様々な企画やイベントを提案しています。 – CUJORL – Bouteille

●コーナー名『Wine makes woman woman』
”ワインは女性を美しくする”