2020年、明けました。
Nstyleをご覧の皆さま、本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

私は、年末に人生の中でなくてはならない大切な存在の人を失いました。
なので今年はおめでとうございますとは言えないのですが、
彼女との別れをきっかけに、大切なことを改めて教えてもらったので、
今日ここに書いておきたいと思います。

昭和の時代に生まれた私は、両親をはじめ、沢山の素敵な大人たちに見守られ、愛され育ってきました。
時には近所の人にお叱りを受けたり、学校の先生に涙ながらに叱られたり。
友人の親御さんや、スポーツチームのコーチや監督、今思うと本当に沢山の愛に囲まれ成長してこられたと思います。
まだまだ近隣の方々や地域の交流が、今よりも盛んだった時代。

そんな中でも、家族同然に時間を共にしてきた人の死。
彼女とのお別れは、物心ついた時からいつかくるその日のために、
ずっとずっとシュミレーションをしてきました。嫌だから、辛いから。それを少しでも和らげるための。
実際、亡くなってゆく彼女を目の前に、泣きじゃくりながら感謝と愛を精一杯伝えることしかできなかったのですが、
考えてみたら、人生の中で彼女に出会えたことも、最後までしっかりとお別れができたことも、
奇跡のような出来事だったなぁと。

無償の愛というものは、家族だけではなくどこにでも存在するのだと、
人生をかけて私に教えてくれた人でした。
でも、その家族ではない人からの無償の愛を、感謝して受け取り続けた私の両親も、
そして昭和という時代も。全てが合わさって、初めて起きた奇跡だったと思います。

昭和に生まれ、平成という時代をのびのびと生き、今令和という時代を歩み始めました。
時代の様々な変化に、自然に付いていけるのが当たり前だった頃から、
今は自分で努力をしなければ、付いていくことも難しくなってきました。
SNSやインターネットの情報で表面だけ知ったつもりになることは逆にとても簡単になったのですが、
それゆえに、なかなか掘り下げたり、本質を知ろうと深く関わること自体が希薄になってきたのかな、
と私は感じてしまいます。

時代とともに素晴らしいものも増え、それはそれは贅沢な時代に生きていられることに感謝もしつつ、
でも、こころの奥でいつもムズムズするのは、とっても大事なことをこのままどこかに
置いてきてしまうのではないか、ということ。
この気持ち、この思い、なんだっけ？調べよう。ってことができたとしても、
私は自分の身体に、心に、しっかりと焼き付けていたいです。
目の前に辛そうな人がいたら、どうするかを調べる前に、駆けつける人間でいたいです。

どのように生きて、いつか来る、この世界とのさようならの日。
私は亡くなった彼女のように、感謝を述べてこの世を去れるだろうか。
そんなことをこの凝縮された数日間で沢山考えました。
結果、一番に出た私の答えは、目に見えない心を大切に、誠実に愛を持って、
一生懸命生きるということでした。
彼女を含め、私の人生に愛という花を添えてくれた人たちに改めて感謝をしつつ、
そんな花を私も沢山添えることのできる人間になろうと心に誓ったのでした。

天国のあなたが心配して悲しむことのないよう、精一杯生きていきますからね。
本当に沢山の愛をありがとう。

読者の皆さまにも、愛を込めて、
またお会いしましょう。
AYAKA FUKANO

AYAKA FUKANO(絵描き)   東京生まれ。思春期の多感な時期をドイツで過ごし、アートに初めて触れる。 幼い頃からの感受性の強さをアートにぶつけ、世の中に溢れても困らない愛を伝える。 instagram:ayahundred   HP:http://ayakafukano.com