【連載:THE DAY】vol.51-KIOKU
post date:2018.10.29
最近は朝起きて、今日は天気になりそうだぞって思ったら慌てて洗濯物を干す。
時に天気に裏切られることもありますが、もうこの不安定な天気にも慣れなくてはいけないのかなと思い始めています。
このご時世、ネットで調べたら何でも分かるはずなのに、いまだに私は自分のカンを頼りに生きています。
ここ最近、私は気持ち的に不安定になることが多く、何でなんだろうとしばらく悩んでおりました。
何か特別嫌なことがあったとか、そんなことではなく、でも、ホルモンバランスのせいだと片付けることもできないような不安定な気持ち。
一つ一つ出来事を書き出してみて、理由を探ってみるも、どれもいまいちピンとこない。
そんな時に思い出すのは、幼い頃の様々な日常でした。
弟たちと喧嘩しながらも分け合い、分かち合った食事の時間。
家族でお祝いした誕生日の時間。
おばあちゃんの家で親族が集まって過ごしたお正月や、
親に内緒でおばあちゃんに飲ませてもらったコーヒー牛乳の味。
そんなことを思い出しながら、たどり着いた答えのようなもの。
それは、あぁわたしまた一つ大人になろうとしているんだなということでした。
33歳という年齢になり、身体も、環境も、考え方も、喜びの感じ方も、そして幸せと思えることも
少しずつ変化していて、そんな自分を取り巻く流れのようなものに気持ちが今追いつこうとしているんだなぁと思ったのです。
限られた時間の中で、その時間がどれほど貴重なものなのか、そしてその中でどう自分という人生を生きるのか。
忙しい中でもそんな風に頭ではいつも考えているんだなぁと。それを理解してから、とても気持ちが楽になりました。
そんな中、先日ある媒体の取材を受け、何のためにアーティスト活動を始めたかとか、自分の過去などを話しながら、
改めて自分の中で、アーティスト活動を通して何を伝えたいのかということを考えるきっかけをいただきました。
このタイミングで取材という場を与えていただき、自分でも何を話しているのかわからないくらい、沢山の思いが溢れ出たとともに、
とめどなく溢れる思いを自分の中から感じ、あぁ、私は死ぬまでこれをやっていくのだなと一つの決心みたいなものも生まれました。
人生の中で出会った、通りすがりのようなある人に、
”ぼくはThere is no corner of the worldというブランドを立ち上げたいんだ”と言われたことがあります。
There is no corner of the worldとは、日本語にすると、世界には隅っこ(角)なんてないんだよというような意味。
彼が一番言いたかったのは、地球は丸いから、角なんてないんだ、だから誰も一人なんかじゃないんだよ。っていうこと。
その時も、自分には響くとても素敵な意味だったのですが、最近この活動をしながら、そんな通りすがりにいただいた言葉を
強烈に思い出すのです。
世の中に”わたしなんて”ってひとりぼっちのような気がしてる人たちに。寂しい思いをしている子どもたちに。
悲しい心にも寄り添える愛情を沢山沢山世の中に溢れさせたい。
そう思って小さい頃から何かわからない大きな気持ちを抱えて生きてきたじゃない。
そして、それをどう表現すればいいのか色々挑戦してきたじゃない。
だからこそ、素敵な言葉や考え方、そして素敵な人たちに沢山出会ってこれたじゃない。
そしたらもう答えは一つ。その思いを胸に活動していくのみよ。
そんな気持ちになるために、全て必要だった今回の”不安定な時期”だったし、
そして大人になるために一つ一つの大事な記憶に改めて光を当てる大事な出来事だった。
そう思うことで、また前向きに楽しめます。
今日はそんな私の最近のお話。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
みなさまに愛を込めて。
AYAKA FUKANO
AYAKA FUKANO(絵描き) 東京生まれ。思春期の多感な時期をドイツで過ごし、アートに初めて触れる。 幼い頃からの感受性の強さをアートにぶつけ、世の中に溢れても困らない愛を伝える。 instagram:ayahundred |
Nstyle主宰。航空会社の客室乗務員から、アルマーニ・ジャパンに入社、アパレルの世界へ。その後、タレントのスタイリストとして活動。現在は“女子力”を提案するスタイルプロデューサーとしてイベントや商品のプロデュース、ファッションブランドコンサルティングをはじめ、ファッション、ビューティー、ライフスタイル情報を雑誌・ラジオ等で発信している。
メディア掲載情報はこちら
大人の女子力アップを応援するNstyle [エヌスタイル] は、「ファッション」「ライフスタイル」「美容」「旅行」などの情報を、魅力的な自分スタイル作りを目指す皆様にお届けするWebマガジンです。
各専門分野で活躍中のコラムニストによるコラムの連載や、主宰者でありスタイルプロデューサーでもある廣瀬規子が直接体験、経験した生の情報を写真と共に提供していきます。
少しでも皆様の魅力的な自分のスタイルを作るきっかけになれば幸いです。