【連載:chez Nicole(シェ・ニコール)】vol/60-「私のヤドカリ日記」を書くときの第1章
post date:2019.04.25
おしゃれなのに、とっても下町っぽさに溢れている千駄ヶ谷。
ひょんなきっかけで、この街に花屋としておじゃましてから早1年。
ご近所さんにとても恵まれて、お店にいると地元に戻ってきたような安心感を感じる日々を過ごしています。
店の前のベンチでひなたぼっこしながらおしゃべりしたり、
大家さんのおばあちゃんと一緒にお茶飲んだり、
なぜだか花屋の中で宴会が始まった日もありました。(もちろん、お客さんも巻き込まれながら謎の宴。笑)
なので、ここにきた事がある友人は皆、口を揃えて「ここのローカル感なに?本当に渋谷区?!」と言うほどです。
本当に過ごしやすい場所なんです。
が、しかし、
この度、6月を目処に麻布十番へ移転する運びとなりました。
正直、この大好きな環境から離れるのは寂しい。
ただただ、寂しい。
けれど、日々進化したいし、新しい可能性があれば挑戦したい。
花の活動を継続していくための変化、工夫、努力。
良い未来につながるよう、新しい一歩を踏み出す決断をしました。
私が花屋として店舗を持ちたい理由はただ一つ。
人が人に会える場所/機会を作りたいから。
私がまだ実家暮らしをしていた頃、祖父の他界により祖母も一緒に我が家で暮らす事になりました。
静岡で生まれ育ち、仲の良い兄弟達や沢山のお友達の中で過ごしてきた祖母。
脚が悪くなってからは、気軽に出歩けない分、いつも祖母の家にみんなが集まって来てくれていました。
そんな賑やかな日々を過ごしていたのに、知っている人がいない土地に越してきた祖母の気持ちを考えると切なくてたまりませんでした。
その時に、ぼんやりと日常生活の中で新しいコミュニケーションを求めた時にどこに行ったらそれが得られるんだろう?と疑問が浮かびました。
日々の生活の中で人と自然に出会うことって結構難しい。
せっかく私が花の仕事をするならば、いつか必ず花屋としてお店を構えて、人がふら〜と気軽に立ち寄れて、しゃべってもしゃべらなくてもいいけど、気取らずにのぞけて散歩コースになるくらいの場所を作ろうと、その時から決めていました。
そんな場所があったら、花を見に行くテイで自分の毎日に少しハリが出てくるんじゃないかと思う。
色とりどりの花を眺めたり、驚くほど素敵な花の香りにであったり、
花に興味がない人でも、いや、花に興味がない人ほど、ときめかせたり驚かせる自信があるな。
大きな出来事じゃなくて、そういう一日の中でのささやかな刺激や喜びが「なんか良い一日だったな♪」という日を構成していると思っています。
そんなお花屋さんにぜひおばあちゃんを招待したかったな。
(のちに、祖母はデイサービスへ通ってまたお友達を作っていました♪)
そんなこんなで、麻布十番のお店は、花屋だけでなくアートギャラリー、コーヒースタンド、さらにおでん屋さんまで一緒に展開していきます♪
成長と共に住まう貝を交換していくヤドカリのように、私も場所とともに少しずつ、少しずつ成長していきたいと思います。
新店舗の詳細はまた改めてお知らせさせて下さいね!
面白い場所を育てて行くので、ぜひ遊びにいらして下さい♪
photo by Masako takano
フラワーデザイナー 太田 美際 / migiwa OTA IT企業で勤めた後、花修行のためパリへ渡る。現在は、フリーランスにてギフトフラワー・装花・ワークッショプの開催などを行う。 HP:http://migiwao.com IG:jardin_de_muguet |
Nstyle主宰。航空会社の客室乗務員から、アルマーニ・ジャパンに入社、アパレルの世界へ。その後、タレントのスタイリストとして活動。現在は“女子力”を提案するスタイルプロデューサーとしてイベントや商品のプロデュース、ファッションブランドコンサルティングをはじめ、ファッション、ビューティー、ライフスタイル情報を雑誌・ラジオ等で発信している。
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